演歌好き:話題の本「虹色のチョーク」について

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今回の話題は演歌ではないのですが、いま話題の本「虹色のチョーク」について紹介したいと思います。

先日日本テレビ「世界一受けたい授業」や情報番組『Mr.サンデー』の中で「日本理化学工業」の話が出ていましたのでご存じの方もいらっしゃいますと思いますが、この「日本化学工業」の従業員の全体の7割が知的障害者というチョーク製造工場の話です。

この「虹色のチョーク」という本は、ノンフィクションで、働くことの意味や生きがいとは何かというのを実感させてくれる本ですね。

働く」という枠を超え、生きるということや他人との関わり方に関しても考えさせられるストーリーです。

本の紹介の前に番組の感想です。

「日本理化学工業」という会社は、チョークの製造でシェア1位の会社として有名なんですが、同時に、知的障がい者の雇用に力を入れている会社としても知られています。

現在ではなんと、従業員の7割が知的障がい者だそうです。

粉の飛散が少なく、人の肌にやさしい「ダストレスチョーク」と、ガラスやホワイトボードなどつるつるした素材に発色良く書くことができ、濡れた布で簡単に消すことができる筆記具「キットパス」。

この画期的な2つの文房具を開発したのが、「日本理化学工業」という会社です。

チョークは0.1mm単位の品質基準が求められる。JIS規格に適合するチョークの太さは11.2mmで、許されるのは±0.5mmまでで、非常に厳しい規格なのですが、日本理化学工業の製造ラインはすべて人の手で行われていました。

そこで必要とされる集中力は計り知れないものがあります。
社員の表情には、安全な品質のチョークを全国の子どもたちに届ける、という使命感のようなものを感じることができる生き生きとした表情で働いていました。

この「日本化学工業」の工場内でで働いている社員の7割が知的障がい者の方たちでしたそしてみなさんが、当たり前のように定年退職まで勤め上げていらっしゃいます。

健常者と同じように働いているというよりも、もしかすると、それ以上に働いているかも知れませんし、そう感じられるような映像でした。

職場の同僚がインタビューで語っていましたが、「彼ら(知的障がいのある人)は、集中力がスゴイいのですよ」と。

一度作業に取り組むと、単調で細かい作業でも正確に、2時間連続で続けることができる集中力があるそうです。

私も含め多くの人たちは勝手に「障がいがあるから職場でも足手まといなんじゃないか?」とか見もしないで思ってしまいがちになります。この映像からは全く、そんな感じが消し去られるほど驚きを感じさせられました。

人間が働く環境は、適材適所というか、それぞれ得意な作業・分野があるんじゃないかと思いますね。

その中で大切なものは「従業員ひとりひとりに、それぞれが適したポジションを会社や社会で見つけてあげられるかどうか」という事なのかなぁと感じました。

そして、知的障がいのある皆さんは、この工場で長く働いています。

当たり前のように定年退職まで働かれるそうです。

みんなそれぞれ、得意、不得意がある。やり方を工夫すれば、誰だって「居場所」があるということを感じました。

知的障がいのある従業員の中には、時計を見ても時間が分からない人もいたそうですが、その人の作業場には「砂時計」をおいているそうです。

こすることで時計の文字盤を見ても、自分の作業の行程にどれだけの時間がかかっているのか、理解できないひとでも砂時計でその都度、確認すれば、ちゃんと仕事ができています。

数字が分からず、重さを計算できない人もいたそうですが、その人の作業場では、重さを数字ではなく「色」で分けていました。

この重さの物は赤色、この重さの物は青色、というように、会社が、すこしだけ工夫することで、健常者と同じように仕事をこなせる環境を整えていました。

みんなが少しずつ、小さな気遣いや創意と工夫・知恵を寄せ合って、力を合わせる。

その少しずつの気遣いや知恵や持つことだけで社会の中でも克服できる困難というののはなくなっていくのではないのかなと感じました。

この番組の中で、業績が好調な日本理化学工業は、工場の人員を2人増やすことにして、派遣社員を雇いました。
日本理化学工業のチョーク工場にやってきた2人の派遣社員(健常者)は、「知的障がい者の会社だとは聞かされていませんでした」と驚いていました。

派遣の社員さんは、「人間関係に疲れて、深く人と関わる必要がないからと、あえて派遣社員になった」と語っていました。

ところが、知的障がいのある同僚が、ものすごく人懐っこいのです。

この派遣社員さんのふところに、いい意味で土足でズカズカと踏み込んでくる感じです。
人と関わりたくないと思っても、そんなことはおまかいなしの工場の人々。

休憩時間には、抱きついてくる人、必死に話しかけてくる人。

中には、七夕の時の短冊に「派遣社員の人が辞めませんように」って書いている人などもいました。

結局、派遣社員なので10か月の契約期間満了ということで、工場を去ることになるんですが、工場の人たちはサプライズで「お別れ会」を開きました。

折り紙でつくった手作りのプレゼントを渡す工場の人たち。

派遣社員の方は、泣いてしまいます。

「人の心ってこんなにあったかいんだな」

というような ドラマのような出来事でした。

ドラマ化の話もあるようですが、個人的な意見としてはない方がいいですが、世の中にこういう話が多く伝わるのはいいことだと思いますので難しいですね。


 

「虹色のチョーク」の本の紹介です。

この「虹色のチョーク」は、知的障がい者の多数雇用に身を投じた1人の企業家とその一族の激闘の記録であり、障がいを持って生きる人の働く姿と、その喜びの記録です。

知的障がい者を積極的に雇用し、テレビや書籍などのメディアにも紹介された日本理化学工業に関わる人にスポットライトを当て、同社の今までの道のりや製品に対する熱い想いをノンフィクション作家の小松成美氏が書いた一冊となっています。

日本理化学工業は、2008年に、経営学者 坂本光司さんに『日本でいちばん大切にしたい会社』として取り上げられ、同年「カンブリア宮殿」に出演した。現在非常に注目を集めている会社ですね。

どうして同社がここまで注目を浴びることとなったのか。
どのようにしたら、知的障がい者の多数雇用を達成しつつ、一族四代にわたって事業を存続させることができるのか。

そこには著者が「鉄の意思」と称した強い信念が存在する。
働く喜び」について、障がい者にも同じように働く喜びを感じてもらうことを第一と考える。

日本理化学工業には3つの時代があった。
1、 チョークの製造と会社創設、創業の時代
2、 知的障がい者雇用とキットパスの試作、製造の時代
3、 キットバスの営業展開の時代

1960年代以降は少子化が顕著になり、パソコンやホワイトボードの普及のため、チョークの需要は年々減少傾向にある。しかし、同社には雇用を何としても守らなければならない理由がある。

大山会長が提唱する『皆働社会』について。

「私が提唱しているのは『皆働社会』です。日本国憲法第13条には『すべての国民の幸福追求を最大限に尊重する』とあり、さらに第27条で『すべての国民は勤労の権利と義務を負う』とある以上、重度障がい者だから福祉施設で一生面倒見てもらえばいいというわけではありません。つまり、健常が障がい者に寄り添って生きる『共生社会』ではなく、『皆働社会』なのです。」

『皆働社会』のなかで生まれるもの、それは、「働く幸せの実現」である。知的障がいを持ちながらも会社に貢献する。働いて、人の役に立って、人に必要とされる存在でいること。この環境を守り続けるために、大山一族は会社を成長させ続けてきた。

キットパスは、「きっとパスする」という想いを込めて名付けられた。キットパスの製造時代、そして営業展開の今、大山隆久社長を筆頭に、全社員が身近な人に想いを込めて一生懸命会社を育てているのが伝わってくる。必死に働くことで生きる道を切り開く。本書を読めば、社員の仕事を通じた成長と、家族の喜びに共感せずにはいられない。著者のとても丁寧なインタビューが、日本理化学工業のありのままの姿を伝えてくれる。

働く喜びとは何だろう。自分事に置き換えると、仕事を通して出来ることが増えるのは楽しい。でもまだ力不足で、世の中に何かを生産しているとは思えず、周りの人たちに世話になりっぱなしである。だから、働いていることに関して素直に喜べない自分がいた。

でも本書内の社員たちは、働くことに対して素直に楽しんでいて、感謝している。役に立つこと、必要とされること。素直に喜びを受け入れることが、彼らの成長の糧となっていた。一番大切なことは何か、シンプルに教えてくれるのはいつも障がいを持っている人だったりする。頭で考えないで、感じたことを素直に受け止めなさいと教えられた気がした。

日本理化学工業は全従業員81人中60人が知的障がい者(内27人が重度の障がい者)が働いている、学校で使うチョーク製造を主とした会社です。(平成28年6月現在)

会社創立は昭和12年ですが、知的障がい者の雇用は昭和35年2人を雇用したのがスタートでした。このような障がい者多数雇用を目指したのは、禅寺のお坊さんから「人間の究極の幸せは、1つは愛されること、2つ目はほめられること、3つ目は人の役に立つこと、4つ目は人に必要とされることの4つです。福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにするのです」と教わったからでした。

「虹色のチョーク」の本の感想です。

「虹色のチョーク」を読んで、同社の歴史や働く先代や現在の経営者や障がい者の家族、元従業員の方など様々な方へのインタビューを通して書かれており、同社に関わる全ての方が仕事を出来ることに誇りを持っていることを知り、非常に胸が熱くなりました。

製造の際に障がい者でもできるように工夫することで製品に一切の妥協を許さない姿勢や長きを経て熟練した技術を身に付けた障がい者の方に対する尊敬の念、働くことによって見出す幸せを実現し、障がい者だとしても1人の職業人として平等に接する経営者の想いなど障がい者雇用を積極的に行う同社について知ることができました。

役に立ち必要とされるということを働くという人間の本質を障がい者の方に感じてもらうために働くことによって実現し、皆働社会を実現しようとする日本理化学工業の偉大さも理念の素晴らしさを感じるとともにこの国が大きく変わっていく中で同社の取り組みというのが経済的にみても非常に大切なことであることを本書で知ることができました。
そして、自分にできることをやってみようと気持ちも新たにしようと本書を通じて感じました。

普段語られることの少ない障がい者のことや、「働く幸せ」を伝える一冊です。
秋の夜長の一冊になればと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 

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