「明日はきっといい日になる」と「明日はもっといい日にしてみせる」の違いのお話です。
日本のことわざに「七転び八起き」というのがありますね。
「七転び八起き」という言葉をそのまま読むと、七回転んだのだから、七回起きればよいことになります。なんで、一回多い「八起き」なんでしょうか?
人間は、生まれてすぐには、歩けません。首が据わって、寝返りをして、ハイハイをして、立てる準備ができます。そして、親の支えを借りて、ようやく自分の足で立つことができるのです。
つまり、生まれて一番最初に立ったときの回数がカウントされているから、「八起き」なのです。人は自分だけの力で生きているのではありません。周りの助けがあって生きていけるという意味が込められているのです。いい話ですね。
【ことわざ】
七転び八起き【読み方】
ななころびやおき【意味】
何回失敗しても、挫けず、諦めず、何度でも立ち上がって、また努力を続けることです。
浮き沈みの激しい人生に例えられることもあります。【語源・由来】
何度転がされても起き上がる「起き上がり小法師」のように、7回転がっても、8回起き上がるといった事から由来しています。
この場合の7や8の数字は、具体的なものではなく「数が多い」事を表現しています。語源は中国の故事「七顛八起」とされます。
「転」は「つまずく」ではなく、本来は「顛」で「ころがる」を意味しています。語源は聖書にあるとの説もあります。
確かに「神に従う人は七度倒れても起き上がる。神に逆らう者は災難に遭えばつまずく」と書かれていますが、実際に「七転び八起き」が使われたのは江戸時代なので、この説には無理がありますね。
希望とは何でしょうか?
「明日はきっと今日よりもいい日になる」と期待するのも、希望のひとつのかたちですね。
そういう希望を持つとき、私たちは将来に明るい展望が開け、ものごとが順調に運ぶことを切に願う。
将来がよくなるかどうかは、運任せと言ってもいい。
「やり抜く力」が発揮されるのは、それとは異なる希望を持つときですね。
それは「自分たちの努力しだいで将来はよくなる」という信念にもとづいているのです。
「明日はきっといい日になる」と「明日はもっといい日にしてみせる」では大ちがいですね。
「やり抜く力」の強い人びとが持つ希望は、運とは関係ありません。
何度転んでも起き上がる。
それがすべてですね。
転んでも起き上がる。
「ドラえもん」のお話を紹介いたします。
のび太君はテストの前日、ママが大事にしていた“プラチナの指輪”をなくしてしまいました。
「これからママにたっぷり叱られることを思うと、とても勉強できない」とドラえもんに泣きつきます。
ドラえもんはポケットから「なくし物とりよせ機」を出しました。
ハッキリとなくした物の形を思い出せば、それが出てくるという道具です。
なくした指輪を取り返したのび太君に、勉強をするよう話すドラえもんですが、のび太君は今までなくした物を全部取り寄せました。
ママに捨てられたマンガや、ジャイアンに取り上げられた模型飛行機、谷へ落としたムギワラ帽子などをはじめとして、様々なものを出していきます。
昔を懐かしむのび太君に、ドラえもんは言います。
「過ぎた日をなつかしむのもいいけどね、もっと未来へ目を向けなくちゃ。ふりかえってばかりいないで、前を見て進まなくちゃ」
しかしのび太君は、「どうせろくな未来じゃないさ。頭も悪いし、何やっても失敗ばかり・・・ずっと子どものままでいたいな」
と言い返し、ドラえもんも呆れて部屋を出ていきます。
その時のび太君は、取り出した物の中にあった小さなダルマを見つけました。
それは、亡くなったおばあちゃんが昔、幼いのび太君にくれたものでした。
庭で転んで泣いていたのび太君を、そのダルマを使って慰めてくれたおばあちゃん。
「のびちゃん。ダルマさんはえらいね。
なんべん転んでも、泣かないで起きるものね。
のびちゃんも、ダルマさんみたいになってくれると嬉しいな。
転んでも転んでも一人でおっきできる強い子になってくれると・・・、
おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」
当時のび太君はおばあちゃんに、「ぼくダルマになる」と約束しています。
今は亡きおばあちゃんとの最後の思い出に頬を濡らしたのび太君は、やがて立ちあがり、机に向かって勉強を始めます。
「ぼく一人で起きるよ。これからも、何度も何度もころぶだろうけど・・・。
必ず起きるから安心してね、おばあちゃん」
「ドラえもん」
てんとう虫コミックス第18巻より
ネルソン・マンデラの言葉に、
「勇者とは怖れを知らない人間ではない。怖れを克服する人間のことなのだ」
とあります。
なかなか、年をとってくると新しいものに挑戦したがらないですね。先日もお話ししましたように失敗というのないのです。エジソンの言葉を借りるまでもなく、
私は失敗したことがない。
ただ、1万通りの、 うまく行かない方法を見つけただけだ
「ぼく一人で起きるよ。これからも、何度も何度もころぶだろうけど・・・。
必ず起きるから安心してね、おばあちゃん」
「過ぎた日をなつかしむのもいいけどね、もっと未来へ目を向けなくちゃ。ふりかえってばかりいないで、前を見て進まなくちゃ」
「ドラえもん」から学ぶこと多いですね。
いつまでも心は子供の頃の夢を持ち続けて「明日はもっといい日にしてみせる」と心がけて生きて行きたいですね。