演歌以外:ちょっと感動する話「一本の傘」

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今日の話題は、「一本の傘」というお話です。

静岡県東部では絶対的な存在感と、圧倒的な魅力でお客様に喜ばれ成長し続けている会社で「雄大株式会社」という会社があります。

その三十年のあゆみから生まれた「30の素敵な物語」の中から「一本の傘」というお話を紹介したいと思います。

「一本の傘」

雨の土曜日。

当時、私が務めていたカラオケボックスは、中高生のお客様で賑わっていました。

夕方になるとフロント付近は帰宅するお客様でごった返し、対応にてんやわんや、その波がひとしきり去りふと入口に目をやると、中学生の女の子がぽつんと一人で立っていました。

親が迎えにくるのかなと思っていましたが、十分、二十分経っても、外を見つめたままです。

私は彼女に声をかけました。

「迎えを待っているなら、中に入れば?そこじゃ濡れちゃうでしょう」

彼女は頷いてフロントにやってきましたが、どうも元気がない様子。

「どうしたの?なんだか元気ないね」

少しの間を置いて、彼女は小さな声で言いました。

「傘を盗まれちゃったみたいで・・・」

私は事務所から自分の傘を持ってきて、彼女に渡しました。

「じゃあ、これ使って。安いものだから返さなくていいよ。傘くらいで、クヨクヨしないで。元気出して帰りなよ」

少女は軽く頭を下げ、無言で店を出て行きました。

「なんだか変わった子だなぁ・・・」

その翌々日。

店に一通の手紙が届きました。

宛名は私になっていますが、差出人は知らない女性の名前。

キャラクター模様の封筒には、丸っこいかわいい文字が並んでいました。

同僚から、ファンレターじゃないのかと冷やかされましたが、中身はまったく違いました。

手紙の主は、一昨日、傘を貸した少女でした。

「実は私、友達からいじめられています。あの日もカラオケの部屋でポップコーンを投げつけられたり、殴られたり・・・。その子たちと別れた後、もう死んでしまおうと思って、店の入口に立ちすくんでいたんです。そんな時、平野さんに傘を貸してもらって。優しい言葉をかけてもらって、本当にうれしかった・・・」

便箋四枚にびっしりと綴られた彼女の告白を読み進むうちに、私の表情は硬くなり、「なんとかしなくちゃ」という気持ちになりました。

手紙に記してあった彼女の電話番号に電話をかけ「何としても生きてほしい。何かあったら、いつでもここに来ればいいからね」と。

電話の向こうで、彼女は泣いているようでした。

その後、私は部署の異動でその店を離れました。彼女も高校生になって行動範囲が変わったようで、店に来ることはなくなったと聞きました。

そして、時は流れて・・・。

つい先日、その彼女と偶然再会したのです。

街中でベビーカーを押す女性とすれ違った際に、その若いママが私に声をかけてきました。

「もしかして、ラジオシティー(カラオケ店)の平野さん?」

「はい、平野ですけど、どちらさまでしょう?」

「中学生の頃、お店で傘を貸してもらった○○です。あの頃はお世話になりました。私も大人になり、今は子どもがいるんです」

明るい笑顔で話す女性の横顔に、沈んだ面持ちで夕暮れの店先に立っていた少女の顔が重なりました。

「あ、いやいや。全然変わっちゃったから、わからなかったよ。何年ぶりだろう?」

「あの時、平野さんが貸してくれた傘、今も大切に持っています。どしゃぶりだった私の心に、傘を差し出してくれて本当にありがとうございました」

会釈して去っていく彼女に手を振りながら、私も自然と口元がほころんでいました。

あの日、一本の傘がつないでくれた私と彼女の縁。私にとっても、かけがえのない宝物になっています。

雄大感動伝説 30年分の感動から生まれた30の素敵な物語

何気ない毎日、一人一人の人生に、素晴らしいドラマがある。静岡県東部で、飲食・レジャー・モバイル事業を展開する「雄大グループ」のスタッフが、お客様や職場の仲間、家族との触れ合いのなかで得たさまざまな感動を書き記した。執筆者たちの熱い思いが詰まった一冊。


人生80年として、人が一生で出会う人の数

何らかの接点を持つ人 30,000人
同じ学校や職場、近所の人  3,000人
親しく会話を持つ人 300人
友人と呼べる人 30人
親友と呼べる人 3人

人が人と出会う確率

何らかの接点を持つ人と出会う確率は1/240000(24万分の1)
同じ学校や職場、近所の人と出会う確率は1/2400000(240万分の1)
親しく会話を持つ人と出会う確率は1/24000000(2千400万分の1)
友人と呼べる人と出会う確率は1/240000000(2億4000万分の1)
親友と呼べる人と出会う確率は1/2400000000(24億分の1)

世界人口は、約73憶4000人(2016年7月現在)
※統計は、あくまで平均的なものであり、環境や職業により差があると考えられます。

地球上に沢山の人間が存在します。
出会いの確率はおよそ65億分の1ですね。

およそ65億人の中から
地球上でたった一人の人間と出会う。

計り知れない確率から出会った人。
その「縁(えにし)」は必然であり、深い意味があります。

でも中には「あの人と出会わなければよかった」なんて思う人もいるかもしれません。
でも自分とは違った価値観や考え方を知るだけでも、後で振り返るとそれが自分の学びや糧になっていることもきっとあるはずです。

だから無駄な出会いなんて一つもありません。

浅かれ深かれ「出会い(縁)」は、互いに影響を与えあいますね。

人との出会いが天文学的奇跡だということは数字を見ても明らかですよね。
奇跡のように巡り合っているからこそ、一つ一つの出会いに感謝して、出会い(縁)という物を大切に今日も生きていきましょうね。