演歌以外:「一杯の豚汁」というお話です。

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今日のお話は、東日本大震災3日後に起きた「一杯の豚汁」というお話をご紹介させていただきます。

西日本を襲った未曾有の豪雨災害。
「数十年に一度しかない重大な災害が迫っている」とする特別警報が多くの県や市町村で発令されています。
豪雨の被害にあった被災地では、今でも雨が断続的に降り続いています。
そして被害状況すら把握できない状態です。
活発な梅雨前線による西日本を中心とした豪雨被害を受け、自治体や国の機関も被災地に向けて支援物資の搬送や救援部隊派遣を決定しています。
各地でいろんな方がいろんな方法で支援をされていることだと思います。

今日のお話は、東日本大震災3日後に起きた「一杯の豚汁」というお話をご紹介させていただきます。

ひまわりが咲くたびに“ふくしま”が輝いた!

NPO法人 チームふくしま 著

半田真二 文

ごま書房新社 より引用

『一杯の豚汁』

3月14日。

炊き出しボランティア3日目。

大震災から4日目の夜、僕の人生観が大きく変わる出来事が起こった。

昼間から準備していた1200人分の豚汁を作り、皆に配給していた。

正直、僕も料理人のはしくれだから もっと豪華なものを提供したいと思ったけど、1200人分の食材を考えると、こんなもんしか出来ない・・・。

ちょっと申し訳ないくらいに感じてた。

殆ど肉の入っていない“豚汁”という名の野菜スープ。

僕の列に並んでくれた人に次々に豚汁を配っていると、その婆ちゃんは僕の前に現れた。

「おい兄ちゃん、オレの家は津波で流されちまったんだ。

爺ちゃんも何処かさいっだがねぇ。

もう、なにもかも無くなっちまったからよ、豚汁、大盛にしてくれ。

それくらいしてもらってもバチ当たらんべよ」

正直、一瞬、悩んだよね。

なんか気難しそうな頑固婆ちゃんって感じだったし・・・。

かわいそうだけど、一人だけ大盛を認める訳にはいかないから、

「みなさ~ん。すみませーん。

このお婆ちゃん、津波で家やら全部流されちゃったみたいで~

かわいそうだから、特別に豚汁大盛でよそってあげても良いですかぁ~」

僕はありったけの大声で、後ろに並んでいる人達に聞いてみた。

ちょっとふざけた感じでね。

そしたら・・・なんと、みんな笑顔で一斉に首をタテに振りはじめたんだ。

僕は驚いた。

正直予想外だった。

だから、僕も満面の笑みで「これでもかよっ」てくらい、なみなみと豚汁を注いであげたんだ。

「ほいっ、おまたせ!超大盛の豚汁だよ!」

そう言って、ふとその頑固そうな婆ちゃんの顔を見ると、満面の笑みで、穏やかな顔で、でもちょっと涙目で・・・。

「おう。兄ちゃん、あんがとよ、この豚汁1杯でよ、全てチャラにしてあげるわ。

オレの財産全部と豚汁、交換だな。また明日から元気で生きるべ。」

そして、最後にこう言ってくれた。

「震災あったけどよ、兄ちゃんと出逢えたから・・・良がった」

その瞬間!なんかもう僕は無我夢中で、婆ちゃんに抱きついていたんだ。

「絶対頑張んべな! 婆ちゃんありがとう。ありがとう、頑張んべな!!」

そう言って僕は婆ちゃんとハグしながら号泣していた。

婆ちゃん、僕の方こそ婆ちゃんと出逢えて良かったよ。ありがとう。


どんな状況であれ、「幸せは掴むものじゃなく気づくものなんだ」という一文があります。

被災された方々のご冥福を祈るとともに一日も早い復興を心からお祈りします。
命がけで、被災者の救助や、二次災害の防止に取り組んでいらっしゃる方々に感謝しています。